記事一覧

【シリア情勢】米国がトルコ政府とクルド人組織の間で停戦状態と発表。トルコ政府は反発。

トルコのHurriyet紙が伝えるところによれば、トルコ政府は米国側から8月30日に発出された「トルコ政府とクルド人組織は停戦状態にある」と示唆する発言に対し、反発する声明を相次いで発出した。

(以下、East Media Newsによる記事の意訳)

トルコは米国のJhon bass駐トルコ大使を呼び出し、米国が発出したトルコとクルド民主連合党(シリア)の間で不明瞭な合意がなされた事を示唆する声明に対して政府の不安を表明した。

米国側の声明は8月30日に発出されており、同日遅く、トルコ外務省の Tanju Bilgiç報道官は「そのような声明は全く受け入れられないほか、同盟の要求に応じるものでもない。」との声明を読み上げた。

Bilgiçの声明は、クルド民主連合党との衝突を停止するよう米国のAsh Carter国防長官、「イスラム国」に関するBrett McGurk特使など、国防総省とホワイトハウスからの代弁者による声明に対するものであった。

トルコの声明は、Ferdiun Sinirlioğlu外務次官からJhon Bass大使に発送されたものである。

Bilgiç報道官は、「ユーフラテスの盾作戦の目的はよく知られており、」「トルコ国民に脅威を与える姿勢を取ることができないよう、すべての『テログループ』をトルコ国境から押し出すまで作戦を継続する」として、クルド民主連合党をユーフラテス川の東方に撤退させる約束を守るよう、米国に何度も念押しをした。

また、8月31日、トルコのEU担当相 兼 交渉責任者Ömer Çelik氏は、トルコがクルド民主連合党(クルド人民防衛隊)と停戦協定を結んだとする報道を否定した。

Çelik氏は国営放送Anadolu Agencyに対して、「トルコ共和国は独立国家であると共に法に認めれた国家」であり、「クルド民主連合党(クルド人民防衛隊)と対等で、何かの合意を交わす評価をすることはできない。」と発言し、彼らの北シリアでの活動はクルド人のためではなく、テログループに利益をもたらしていると付け加えた。

さらにトルコYıldırım首相も、シリアのクルド人勢力がユーフラテス川の東方へと撤退することがこの問題に関する米国の約束であると強調した。


8月30日、米中央軍司令官のJoseph Votel氏は、クルド人民防衛隊はユーフラテス川の東方に移動している事に触れると共に、トルコ軍の越境をサポートするだけでなく、「イスラム国」を国境から一掃したのちは「彼らの撤退をもサポートしなければならない」と発言している。(The military.com)

さらにホワイトハウスのJosh Earnest報道官は「トルコ軍と、『イスラム国』と対峙するその他の勢力が交戦を停止していること」を歓迎し、米国の優先事項は「イスラム国」と戦うことにあると発言している。

国務省報道官John Kirby報道官は、トルコ軍の支援する自由シリア軍とクルド人民防衛隊の戦闘停止は「大きく言って12時間から18時間」であるという。

一方、ロシア外務省のMaria Zakharova報道官は8月31日、シリア反体制勢力、クルド人を含む民族グループへの空爆を回避している事をトルコ側に伝えた。(Reuter)

(以上)

→ Turkey summons US envoy over remarks on Syria operation
Hurriyet News 2016.8.31
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-summons-us-envoy-over-remarks-on-syria-operation-.aspx?pageID=238&nID=103406&NewsCatID=510

過日、Hurriyet紙は米ロ間でシリア分裂回避に向けた合意がなされた記事を掲載した。
【シリア情勢】米ロがシリア分裂回避へ向けて合意 アサド政権については一時棚上げか


2011年より激化したシリア内線は、2014年に「イスラム国」がイラク―シリアに跨る「国家」樹立を宣言して以降、国内ではアサド政権、「イスラム国」、自由シリア軍、クルド人組織などの多数の勢力が入り乱れ、国外ではアサド支持のロシア、イランに対して反アサドの米国、トルコ、サウジ等スンニ派国家がゆるやかに対立する状況を作り出していた。

そのような泥沼状況の中、クーデター未遂以降、外交的手詰まりに陥ったトルコが「アサド支持」に鞍替えし、あろうことかシリア領内のクルド人組織に対して侵攻を開始してしまったのが、7月中旬から8月末までの動きである。

これで混乱に一層の拍車がかかるかと思いきや、米ロは「アサド政権の進退」ではなく、「シリア国家の分裂回避」で妥協点を見出すことで、「イスラム国」根絶を旗印に掲げて武装勢力同士の休戦に持ち込もうとしている。

トルコ軍がシリアへの越境軍事行動を行うに際して、米軍などの有志連合がサポートに入っていたのも、こうした道筋を描いてのものだったかもしれない。

国民の弾圧・虐殺など平気でやってのけるアサド政権を支持することなど到底できるものではないが、「シリアの分裂による、中東の混乱回避」との名目であれば、日本も人道援助等で関与する大義がありそうだ。

中国がシリア問題へ介入しようとする中、日本が国際社会の問題について傍観者的態度を決め込むようであってはならない。日本を国際社会から孤立させ、自国のプレゼンスの拡張を容易にしようとするのは中国の戦略でもある。

国防という観点からも、日本は国際社会での存在感を高めなければならない。米国はもとより、中東、ロシアとの関係づくりは極めて重要であるように思う。






Sponsored Link









にほんブログ村 政治ブログ 国際政治・外交へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ニュースブログへ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

関連記事
スポンサーサイト

Sponsored Link

ブロマガ

紹介文:ホワイトハウスで公開される、トランプ大統領の公式発言について概要を配信致します。

月刊ブロマガ価格 500円

ブロマガ記事一覧

購入したコンテンツは、期限なしに閲覧いただけます。

プロフィール

eastmedianews

Author:eastmedianews
最新の国際情勢・世界のニュースのまとめ&解説をお届けします。

主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

各国の政府の発表した公開情報

Sponsored Link