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【ロシア情勢】シリア停戦で中心に立つロシア。日本への人道支援依頼の思惑は。

Pravda紙の伝えるところによれば、ロシアと米国は協議の結果、シリアにおける危機的状況を打開するため、9月中旬にAleppoで米国との協同作戦を行う可能性について検討しているとのことである。

情報筋がInterfax通信に語った内容として、「両者はAleppoの武装勢力に対して、9月半ばに調整した攻撃を開始する可能性について議論した」と報じている。米ロ統合作戦の対象は、「武装解除とアレッポからの退去に応じなかった武装勢力」だという。

Aleppoの現状は、西部はシリア政府軍の支配下にあるものの、東部は未だ武装勢力の支配下にある。ロシア国防省によれば、200万強あった人口は、現在70万程度まで減少しているとのことである。

さらに特筆すべき点として、8月26日、ロシア連邦国防副大臣のAnatoly Antonov氏は、日本に対してAleppoでの人道支援作戦への参加を要請したことを紹介している。

→ Russia and USA ready for joint operations to destroy terrorists in Syria's Aleppo
Pravda 2016.8.30
http://www.pravdareport.com/news/hotspots/terror/30-08-2016/135468-russia_usa_aleppo-0/

日本への人道支援作戦の依頼は、TBSでも報じられた。

→ ロシア国防省、日本にシリア・アレッポでの人道支援参加を提案
TBS News 2016.8.27
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2855149.html

シリアにおける米ロ協同作戦の可能性については、8月26日にもJhon kerry米国務長官とSergei Lavrov露外務相によって協議されていた。

協議の結果として、「軍事的協調とシリア全土での戦闘行動の停止」という内容について合意に至ることはなかったと報道されているが、「米国や湾岸諸国が支援するシリアの反政府勢力と、ジハーディストを見分ける」ことに挑戦することで一致し、アサド政権の存続の可否ではなく、「いかに戦闘行動を停止させるか」が米ロ間の協議の焦点となっている事が明らかとなっていた。

→ US and Russia fail to close deal on ending violence in Syria
Reuters 2016.8.27
http://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-kerry-lavrov-idUSKCN1112ED?il=0

ロシアが日本に対し、シリアでの人道支援を申し入れてきたことについて、大きな関心を持つべきである。

というのも、8月19日付けのPravda紙において、シリアでの混乱を収めるという建前で、中国がシリア問題に関与を深めようとしている旨、報道されているからだ。

中国はシリアへ経済援助を行うだけでなく、軍事顧問団を派遣しており、アサド政権の支援を行っている。

Pravda紙に中国シリア軍事顧問団の関友飛代表が語るところによれば、「中国は紛争の政治解決において常に積極的な役割を果たして」おり、「主権を維持しなければならないというシリアの立場を支持する。中国軍とシリア軍は長年の関係を持っており、これを強化し続けるつもりである。」

さらに記事の伝えるところによれば、「中国のウイグル人は『トルコのイスラム運動』と名乗ってシリアで活発に戦闘を行っており、新疆ウイグル自治区の分離独立を目指している」という。

→ Coalition of China, Russia and Iran to secure Assad’s victory
Pravda 2016.8.19

http://www.pravdareport.com/video/19-08-2016/135388-chian-0/

中国としては、イスラム系であるウイグル人への弾圧を「テロとの戦い」の文脈で正当化する事を意図しているのだろう。

そのような状態のシリア紛争の人道援助に対して、ロシアが日本を招く理由とは何か。

同じくPravda紙の別の記事では、中国、インド、ロシアにとってシリアはそれぞれの主張を支持してくれる「すばらしい友人」であると紹介している。

「シリアはすばらしい友人である。アサドは南シナ海に問題において中国を支持し、カシミール問題においてインドへの帰属を支持している。ロシアについては、アサドはクリミアの再統合を支持している」

一方で、同記事にはシリア問題について後から関与してくる大国に対する、ロシアの「不満」が表明されている。

「ロシアはシリアでの戦争を戦っているが、中国とインドはそうではない。ロシアは政治責任を負っているが、彼らはそうではない。つまるところ、中国人とインド人が得をしている間、ロシア人は全ての“汚く辛い仕事”をしなければならない。」とのことである。

さらに、シリアでの戦闘が終結すれば、シリアは「南北の輸送路となるだけでなく、中東からコーカサス、中央アジア、ロシア、北ヨーロッパとインド」という広大な地域を統合して行く経由地となることが予想されている。

→ China and India to oust Russia from Syria?
Pravda 2016.8.25
http://www.pravdareport.com/world/asia/syria/25-08-2016/135437-china_india_russia_syria-0/

このため、“アサド後”の政権がどのようになるか各国も注目している。ロシアが日本をシリア問題に引き入れようとする狙いが、果たして停戦後のシリア政権をロシア寄りとするための、応援団とする事にあるのかどうか。

今後の動向に注目したい。




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主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

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