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解放軍報7月19日付記事「空軍南海戦闘巡航常態化」について

中国軍爆撃機が南シナ海上空を飛行した問題について、7月19日付解放軍報にも同じ内容が掲載された。今回の飛行について、中国側はこれをどう報じ、どう位置づけたのか、見ていきたいと思う。

→ 解放軍報 7月19日版 第一面
http://www.81.cn/jfjbmap/content/2016-07/19/node_2.htm

今回の報道は、中国空軍の報道官、申進科氏の発言を解放軍報記者が報じる形で発表されている。記事によると、今回の爆撃機派遣は「南海戦闘巡航」と位置づけられ、スカボロー礁などの島嶼付近の海域で行われた。

申報道官は次回の「戦闘巡航」についても内容を予告しており、轟⁻6K爆撃機、偵察機、空中給油機等、戦闘巡航に必要な複数の機種で実施することを伝えている。

これについて国内メディアがどう報じたかを比較すると面白い。

NHKは今回の飛行を「監視飛行」、読売は「パトロール」と報じ、産経のみが「哨戒飛行」と報じたうえで「戦闘空中哨戒」とする中国空軍報道官の言葉を紹介している。

→ NHK7月18日 21時52分「中国 爆撃機が南シナ海で監視飛行 管轄権を強調か」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160718/k10010600251000.html
→ 読売新聞07月19日 18時48分「中国空軍、南シナ海に新型爆撃機「今後常態化」」
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160719-OYT1T50067.html
→ 産経新聞7月19日 19時16分「中国が哨戒「常態化」…「主権」否定されたスカボロー岩礁上空を爆撃機が飛行」
http://www.sankei.com/world/news/160719/wor1607190029-n1.html

このような表現の違いはどこから来るのか。解放軍報の記事からも、「空中偵察」と「空中戦と島嶼巡行への対抗」をもって、「戦闘巡航」の目的を達成する主要な行動スタイルとすることが記載されており、どこか通常のパトロールと異なる趣を感じる。

中国国際問題研究所副所長、阮宗泽氏の発言によって、この疑問が氷解する。

阮氏によれば、「戦闘巡航」とは通常の巡航(パトロール)と異なり、作戦計画に基づく軍事行動であること。さらにパトロールを行う編隊は随時、戦闘に投入が可能であること。島嶼パトロールを行うだけではなく、偵察任務につき、空中戦を行う事さえ可能であるという。
→ 人民日報 7月19日14:46
空军南海战斗巡航将常态化 专家:中国有能力维护主权
http://military.people.com.cn/n1/2016/0719/c1011-28566825.html

爆撃機を飛ばしておいて空中戦というのは妙に聞こえるが、戦闘機による戦闘巡航は当然視野に入れたうえで、米海軍の「航行の自由」作戦のような行動への対処を重視している可能性が高い。どちらにせよ、「一歩も退かない」という意志の表明なのだろう。

阮氏によれば、実際に事を構えるかどうかは、国家の時局の判断次第ということだが、南シナ海で中国にとって不都合な行動をする艦艇に対して、「対艦ミサイルで攻撃するぞ」という脅しにはなるのかもしれない。

中国が仕掛ける軍事的エスカレーションに、米国や日本、近隣国がどこまで耐えうるか。「冷戦」は中東でも欧州でもなく、アジアでこそ継続していることに注目されたい。



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主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

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