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中国が南シナ海で新たに演習を計画

いわゆる「九段線」の主張に法的根拠がない事を勧告した国際司法裁判所の判決について反発していた中国であったが、再度人民解放軍による演習を南シナ海で行うと共に、軍事費を増額させていく決意であることが報道された。

→ 中国軍、南シナ海で再び演習へ 実効支配のアピール狙う
朝日新聞デジタル 7月18日(月)19時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160718-00000044-asahi-int
→ 中国軍高官「軍事力を強化」表明 南シナ海判決に不満
朝日新聞デジタル 7月17日(日)13時50分配信
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160717-00000030-asahi-int

判決後も爆撃機の飛行ルートを設定し、自国の主権が及ぶ地域であることを主張し続けている中国だが、北京で呉勝利海軍司令官と米海軍リチャードソン作戦部長中のトップ会談が行われているさなかにこのような発表をした点、南シナ海での権益確保に関する決意が固いものであることが示唆されている。

→ 中国海軍司令官「島と岩礁の建設をやり遂げる」 米軍司令官に 滞在中にあえて「挑発」軍事演習も 産経新聞2016.7.18
http://www.sankei.com/world/news/160718/wor1607180031-n1.html


今回は、国際司法裁判所の判決が下る前後に行われた前回の演習を簡単に振り返ってみたいと思う。

まず7月9日一面記事において、中国海軍の三大艦隊が集結する大規模演習が南シナ海で実施中であることが紹介された。
→ 海军三大舰队在南海举行实兵对抗演习 解放軍報7月9日1面記事

演習の事実は日本国内のメディアでも紹介されていたが、演習の内容からは南シナ海の実効支配に対する中国の執念が伝わってくる。

解放軍報の記事によると、演習は局地戦争を想定したもので、制空作戦、対艦作戦、対潜作戦など相互に関連する海上戦闘の内容を重点としたもので、航空打撃群による対艦攻撃や潜水艦による水上艦艇への待ち伏せ攻撃、両軍の艦艇によるミサイル攻撃等が主だった内容だったようだ。また、陸上基地の防空戦闘も演習の内容に加えられていたようだ。

演習には中国版イージス艦ともいえるルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦「合肥(052D)」も参加し、対空警戒や組織的防空を指揮している。
→ 海军组织复杂电磁环境下实兵实弹对抗演习侧记 解放軍報7月9日2面記事

ちなみに、今回の演習について、7月14日付の解放軍報記事では、次のような分野で成果があったと報告されている。
・海上支援援護作戦中の応急反撃戦法
・空中警戒機との情報融合と指揮指導能力
・陸上基地の防空の組織
・重要な地点の防空作戦能力
・軍用機と軍艦が協同して行う対潜作戦
→ 南海点兵,三大舰队背靠背立体攻防 解放軍報7月14日1面記事

米軍との局地戦争に勝利できる通常軍の保有は、核兵器保有と対をなす中国の軍事戦略の重要な目標であった。中国の姿勢が強硬であることから推察して、中国の「局地戦争に勝利できる通常軍」は、ある程度のレベルまで達したという自信を得たということなのだろう。

ちなみに、今年米議会から公表された「中国の軍事力2016」には、中国海軍の保有する主な艦艇数が駆逐艦21、フリゲート52、攻撃型潜水艦(通常動力)53、攻撃型原潜5、と記載されている。
→中国の軍事力2016
http://www.defense.gov/Portals/1/Documents/pubs/2015_China_Military_Power_Report.pdf

演習への参加総数100隻以上というのは補助艦艇も含まれてのことと思われるが、いずれにせよ地域のパワーバランスが圧倒的に中国有利に傾いてしまうのは危険である。

この点、米国の共和党次期大統領候補に指名されたトランプ氏のサポーターであり、外交政策のアドバイザーでもあるジョージ・ロンバルディ氏は、「私に言わせれば日本は空母を5隻保有し、核武装すべきだと思う」と指摘している。
→ 中央公論2016.8号 P98

中国軍の動きを通して、日本人が「対中同盟」としての日米同盟の重要性と、その中での自衛隊の役割について直視する機会となることを願いたい。



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主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

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