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【解放軍報】中国軍は「防衛白書2016」のどこに反発したか

8月2日に日本政府が閣議決定した「防衛白書2016年版」について、中国国防部は早速反発したことが報道された。

中国・北朝鮮の脅威について明示した防衛白書の内容や重要性についてはすでに国内各紙が取り扱っているので、中国側の具体的な言い分を紹介してみたいと思う。

→ 国防部新闻发言人吴谦就日本发表2016年版《防卫白皮书》发表谈话
解放軍報HP 8月2日19時
http://jz.chinamil.com.cn/n2014/tp/content_7187246.htm

<「防衛白書」2016年版全体について>
・「防衛白書」の内容において、相変わらず中国に干渉する下らない議論がなされている。
・中国の正当で合理的な国防と軍隊建設をでたらめに議論し、南シナ海・東シナ海問題を焚き付けることで、中国軍に対する悪意を満たし、近隣国をそそのかし、国際社会をごまかしている。
・中国軍は強烈な不満と反対を表明し厳重な抗議を提出する。

<南シナ海・東シナ海について>
・南シナ海問題において、日本はあらん限りの力を尽くして中国と関係国の離間をそそのかし、愚かにも南シナ海を攪乱して濁らせることをたくらみ、どさくさにまぎれて漁夫の利を得ることを狙っている。
・南シナ海に「航行の自由」の問題などなく、かえって日本などの地域外の国が手を出し、地域の平和と安定が破壊されることのほうが問題と言わねばならない。
・日本は、中国が実力で現状を改変しようとしているなどとでたらめなことを言っているが、逆に問いたい。
・日本政府が独断専攻して尖閣諸島を購入(原文では「購島」とのみ記載)したことは現状の改変ではないのか?
・自衛隊が西南方面(南西諸島)の軍事力を強化していることは現状の改変ではないのか?
・安保法案で集団的自衛権を解禁したことは現状の改変ではないのか?
・日本が誤った言動を停止し、「持ち上げた石で自分の足を打つ」ことの無いようご忠告申し上げる。
・東シナ海の問題において、釣魚島(原文ママ)とそれに付属する島嶼は中国固有の領土であり、歴史と法律に十分な根拠を置いている。
・日本は中国軍機の「異常接近」をいくつもでっちあげている。
・もし2014年6月に中国国防部が発表した動画を見れば、一体誰が危険を作り出しているのかを知ることが出来る。
・防衛白書は中国軍が釣魚島(同)方面で積極的な行動にでていると謂れのない非難をしているが、中国軍は釣魚島(同)が中国に属すという事実に基づいた行動をとっている事を明確に指摘しておかなければならない。

<憲法改正、日中関係について>
・日本がこのような白書を発表する根本的な目的は、軍事安全保障政策を大幅に調整して軍備を大幅に拡大し、ついには平和憲法を改正する口実をつくることにあり、このような動向は国際社会が関心と警戒をむけるに値する。
・我々は日本が歴史を反省し、事実を尊重し、中国に対するいわれのない非難を停止し、関係国をそそのかすことをやめ、国際社会を欺くことを停止し、実際の行動をもって中日関係の改善と発展のための条件を創造することを促したい。


以上が、中国による防衛白書2016年版への「反発」の内容である。
箇条書きにして小見出しを追加のうえ、ほぼ全文を意訳してみた。

一読してわかる通り、尖閣諸島問題は勿論のこと、南シナ海についても「日本は関係ない」とばかりに、関与されること自体を拒否しているが、日本はエネルギー資源の多くを南シナ海経由のシーレーンに依存しており、ここの安全が脅かされることは日本の死命を決する大問題である。

また、安保法案、集団的自衛権、憲法改正についても批判をしているが、要はシーレーン防衛のため、自衛隊が本格的に乗り出してくることを恐れているのである。

「一帯一路」の言葉が示す通り、中国は海上交通において、東シナ海、南シナ海、西太平洋からインド洋、アフリカまでを押さえてしまおうと考えているのだから、「邪魔者」が出てこないように「牽制球」を猛烈に浴びせているのである。

単に「反発した」という報道だけでなく、「何に反発したのか」を知る事に意味がある。そこに「なぜ反発するのか」を考える動機が生まれ、「相手の心中」を推し量るきっかけが得られるのである。







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主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

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