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【解放軍報】東シナ海で大規模海上演習:台湾独立を牽制か

8月1日、中国海軍が東シナ海で大規模な海上演習を実施した。

本演習について、解放軍報、新華社それぞれの記事をもとに解説する。

まず国内メディアにおいては、演習の実施に関して時事通信、共同通信、亜州IRが伝えた。

演習の狙いについて、時事通信は「尖閣諸島をめぐり対立する日本をけん制」した可能性があると報じ、亜州IRは「海や空からの脅威に対する人民解放軍の対応能力を強化することが目的」というCCTVの発言を掲載すると共に、「日本や台湾をけん制する狙い」があると指摘した。

元となる記事は、解放軍法、新華社それぞれのHPに、1日18:00前後に掲載されている。


まず【解放軍報】の記事を紹介する。

解放軍報では、演習について「海・陸・空・宇宙・電子の5種類の立体空間」における演習であり、海軍三大艦隊の100隻以上の艦艇、数十機の軍用機、沿岸防衛部隊よりレーダー・海岸観察通信・電子戦などの兵力が集結して行われた、大規模な演習であったと紹介している。

さらに海軍が11年間継続している「複雑電磁条件と水音環境での対抗演習」であると指摘する。

記事では、演習の進行について迫真の描写で描かれている。


演習は紅軍、青軍に分かれて実施され、紅軍の潜水艦による攻撃から幕を開けた。

深海からの攻撃が青軍の艦艇に致命傷を与えると同時に、紅軍の攻撃機数機が低空飛行でミサイル攻撃を実施。青軍はこれに対して正確な打撃を与える。

青軍は速やかに反撃を組織し、ミサイル数発を重要目標に発射させた。
紅軍海上指揮所の警報が鳴り響くと、司令官は航空部隊に対して迎撃を指示。
4機が編隊を組み、対空ミサイル2発を発射して敵ミサイルを迎撃した。

青軍の反撃を粉砕すると、紅軍は兵力を青軍に対して展開し、軍用機と潜水艦、水上艦艇による立体突撃を行った。軍用機、水上艦艇、潜水艦によるタイミングを合わせた同時ミサイル攻撃によって、青軍は重大な損害を受けた。



演習の内容について、解放軍報では軍幹部の発言を通して以下のように紹介されている。(いずれもEast Media News による意訳)

①「この演習は、複雑電磁環境条件下での作戦体系の運用、偵察と警戒、遠距離精確打撃、総合防空などの課題に際立っており、海軍の年度例行性の訓練活動である」
(海軍参謀部・訓練局幹部)

②「今回の演習では、水上艦艇が空中・海中・海上の脅威に同時に対処する能力を検証した」
(海軍ミサイル業務長陈胜琪)

③「猛烈な攻撃、正確な攻撃、安定した攻撃、素早い打撃。これらは突発的で平時と戦時の転換が素早く、戦争を準備する時間が短いという未来情報化戦争の特性をよく体現している。素早く攻撃するために素早く決断し、戦場での打撃効率を高めることが必要。異なる性能のミサイルにより、多方向から各種目標に正確な打撃を与える能力を検証した」
(東海艦隊訓練所所長沈煜介)

④「今回の演習において、実際の作戦の流れ、作戦体系の構成、主な武器装備性能が高度に検証されたことで、部隊の任務遂行と諸兵種による体系作戦の能力が十分備わっていること、党と人民が授けた任務を遂行する確信が示された。」
(東海艦隊幹部)

海軍党委員常務委員会、軍事委員会訓練管理部幹部、東部戦区主要幹部が水上艦艇、潜水艦、主要式部署に赴いて現場指導に当たっている。

【解放軍報】
→ 海军在东海海域举行大规模实兵实弹对抗演习
解放軍報 2016年8月1日 17:42
記者:陈国全、刘亚迅、代宗锋 編集責任者:张硕
http://www.81.cn/jmywyl/2016-08/01/content_7185024.htm


続いて、新華社の記事を紹介する。

新華社の記事でも、今回の演習を「複雑電磁環境下の演習」として紹介し、「体系作戦能力、戦法訓練、武器装備の能力」が最大限に検証されたと報じた。

新華社の記事では、解放軍報で掲載されたような演習の描写はなく、軍幹部の発言の要点がまとめられて紹介されたほか、中央軍事委員会の呉勝利海軍司令が演習の指揮にあたったことが紹介されている。
最後に、「海軍は新たな演習モデルを積極的に創新し、戦場計画から兵力展開まで、演習の筋立てから実弾対抗まで、すべてが複雑戦場環境の中に展開され、実施され、部隊と機関を鍛錬した。各レベルの指揮能力、装備能力と訓練レベルが検査され、海上軍事闘争の準備が有力に促進された。」と結んである。

【新華社】
→ 海军在东海举行实兵实弹对抗演习
新華社 2016年8月1日 18:19
記者:吴登峰、方立华
http://news.xinhuanet.com/politics/2016-08/01/c_1119318021.htm


演習が東シナ海のどの海域で行われたのか、記事では明かされていないものの、「南シナ海も東シナ海も中国の海」とする主張の姿勢はまったく崩す気がないものと思われる。

東シナ海では、EEZの境界線をめぐって平行線が続いている。いわゆる「日中中間線問題」である。中国の言い分では、「南西諸島沿海まで中国の大陸棚」にあるという事になり、日本側の主張と真っ向から対立する。

→ 外務省HP 中国による東シナ海での一方的資源開発の現状
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/higashi_shina/tachiba.html

今回の演習について、同日付の解放軍報紙面では記事が見当たらないが、建軍節に関わる祝賀式典の報道において、常万全国防部長が中台関係について「92年コンセンサス」と「独立反対」を堅持する事を強調していた。

「大陸と台湾は共に一つの中国であり」「いかなる形式で進行しようと、国家分裂活動に対して、勇敢な人民解放軍と、13億の人民、中華民族は決して回答することはできない!」と極めて強い口調で非難している。

常万全国防部長の発言は、蔡英文総統による「92年コンセンサスを受け入れない」発言をベースに置いたものと考えてよいだろう。

こうした記事が同日に掲載されていることも考慮すると、南シナ海に引き続き、東シナ海でも演習を行うことによって、台湾を軍事的に包囲する体制が整いつつあることを明示しているのだろう。







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主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

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