記事一覧

【シリア情勢】「アサド退陣」の狙いは、シリアでのガスパイプライン建設

シリアでの停戦合意の破たんにより、国連安保理で孤立を深めているロシアだが、具体的な国名(インド)を挙げて、「中立的な立場」で事態を仲裁してくれる盟友を求めている。

また、米国の「アサド退陣」の本心がカタールからシリアを経由してトルコに至るガスパイプラインの建設を許可させることにあり、南欧や中東のエネルギー安保において、ロシアの影響力を弱体化させようとするリアリスティックな狙いがあることを指摘している。

ロシアはこの状況を複数の記事で「孤立ではない」と言っているが、実際苦しい事は間違いないのだろう。そのような中で安倍首相がロシア接近にする事は重要な意味を持ってくると考えられる。

(以下、East Media Newsによる意訳)

主題:ロシアはシリアで新たな同盟を構築する
原題:Russia to create new coalition on Syria
媒体:Pravda
日付:2016.9.26
種類:インタビュー記事
 http://www.pravdareport.com/world/asia/syria/26-09-2016/135702-Syria-0/

イギリス、フランス、米国によって開催された国連安保理緊急会合はロシアに懲罰を加えようと試みた。この会合の唱道者であるドイツ、イタリア、そして前日から参加していたEU代表は、Aleppoでのシリア軍の軍事行動は承認しがたいと宣言し、国連安保理がこの問題に関して対応する姿勢を取ることを要求した。

これら6者の代表は、「忍耐にも限りがある」として、ロシアがその義務に従うことができず、不本意である最後通牒のような方法を指摘している。

米国のSamantha Power代表は、ロシアとシリア政府がAleppo東部で「全面的な攻勢」を主導していると主張し、ロシアの行動を「野蛮」と表現した。Power氏によれば、ロシア側の行動がシリアでの紛争を継続させているという。

これに対し、Lavrov外相は、米国はシリアで起きている事のすべての責任をロシアに取らせようとしていると主張している。ロシアとシリアに対する告発は別として、この会合が何の結果ももたらさないことは当初から明らかなことである。

地政学問題協会代表のLeonid Ivashov上級大将がPravda紙のインタビューに答えた。

(「 」内はLeonid Ivashov氏の発言)

「戦争はそれ以外の何物でもありません。彼らが攻撃し、我々が防御する。情報ひとつでさえそうなのです。この点、我々はあらゆる手段でロシアを止めるという米国の戦略を考慮すべきです。大統領選が終盤を迎える中、オバマ政権は何かを達成し、ロシアへの制裁を加えたという事を見せたいのです。」

「中国はこの点曖昧な立場をとっています。一方では米国と激しく対立する事を回避しながら、もう一方では中東における巨大な利益を考慮に入れています。」

今日、中国は軍事顧問団、装備、軍隊によるサポートをシリアに提供しており、その動きはロシアと一致している。また、ロシアは中国と共に南シナ海での反米演習に参加し、中国も2015年、地中海においてロシア海軍の演習に参加している。

「このように、中国とロシアの立場はお互いに近いものがあります。中国は米国の決議に賛成しないと思いますが、かといって明確に反対を表明する用意はないので、おそらく、棄権する事になると確信しています。」

また、ロシア国連大使のVitaliy Churkin氏は緊急会議において、誰もが支配を主張する領域で、常時爆撃が行われるシリアに平和をもたらすことはほとんど不可能な仕事になっていると主張した。また、ロシアは停戦にむけて一方的な行動を請け負うことを拒絶すると付け加えた。

それでは、アメリカ人がアサド政権軍への爆撃を開始しようとする中、ロシアはいかなる行動をとるべきなのか?

Leonid Ivashov氏によれば、「Bashar al-Assadは廃位されるべきだという米国の立場は長らく変化していません。このような米国の姿勢の根本は、カタールからシリア領内を横断してトルコに至る、一千億ドル規模の利益をもたらすガスパイプラインに見いだすことができます。米国企業はガスパイプライン施設の建設とガスの汲み上げ、そして輸送などから巨額の利益を得ることが出来るのです。」

そのために彼らはAssadを打ち倒さなければならず、このガスパイプラインがシリアを横断することに合意させようとしている。しかしそれは同時に、シリア大統領が望まない、ロシアと競合する“代替案”の創造に繋がる。それゆえ、アサドはある意味で無力化されるか、引きずり降ろされなければならない。

「米国に中東政策を変更するつもりがない事は明らかです。もし彼らがテロ組織と付帯的な爆撃の助けを借りることで、シリア政府軍への反対を停止するよううまく処理しないのであるならば、彼らは自国の軍隊と衛星に命じて、シリアの兵士たちを爆撃することでしょう。ロシアがその首謀者であるとの非難を企て、プロパガンダを行う可能性が高いのです。」と主張している。

米国による反ロシアと反シリアの立場のデモンストレーションはあまりにも明白である。平和交渉の決裂、シリア政府軍や人道支援の護送車両に対する空爆、これらはすべてロシアとその政治的立場に対する攻撃である。

「このような方法において、米国はロシアとの合意やロシアの反対的立場、ロシアの保障を頼ることはできない。と証明しようとしています。他の国はこれを信じるべきではありません。」

ロシアが与えた保障の壊滅を通じて、アメリカ人は地域での地位を徹底的に失っている。

疑いなく、ロシアはアメリカ人と戦闘行為に入る理由は何もないが、何の保護もないシリアを残すこともできない。

現在、政治科学者は、ロシアがイランや中国と集中した会議を開催していると信じている。

最後に、Leonid Ivashov氏は「今日、我々は同盟国を必要としている。したがって、もしロシアがこの前線で敗れるとするならば、次は中国とイランであると報告されるべきである。幾つかの新しい同盟が作られるべきであり、和解に関する全ての職権は、中立的な国に手渡されるべきである。例えばインドの様に。」と締めくくった。

(以上)

シリア問題の根底にも、経済戦争という側面がある事が指摘された記事であった。民族、宗教とともに、経済・資源という要素も米露関係を考える上で不可欠の要素である。

文中、「次は中国とイランだ」と警告を発している点、興味深いが、他にもインドを名指しで「中立的な国」と指摘している意図がどのあたりにあるのか、寡聞にして知らない。そう簡単にシリア問題に中国を引き入れられない事情が何かあるのかもしれない。

中国も機が熟するまでは米国との決定的な対立を避けたい動機があると考えられるし、ロシアにはあえて中国のコンペティターであるインドとも関係を深くしておくことに何らかの利益があると予測する事しか現状は術がない。







Sponsored Link









にほんブログ村 政治ブログ 国際政治・外交へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ニュースブログへ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
関連記事
スポンサーサイト

Sponsored Link

ブロマガ

紹介文:ホワイトハウスで公開される、トランプ大統領の公式発言について概要を配信致します。

月刊ブロマガ価格 500円

ブロマガ記事一覧

購入したコンテンツは、期限なしに閲覧いただけます。

プロフィール

eastmedianews

Author:eastmedianews
最新の国際情勢・世界のニュースのまとめ&解説をお届けします。

主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

各国の政府の発表した公開情報

Sponsored Link