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【ロシア情勢】ロシア最高裁がオウム教を「テロリスト」と認定【解説】

日本の国内紙でも報じられたが、悪名高い「オウム真理教」がこのたび、ロシア最高裁から「テロリスト」認定と共に活動禁止の裁定を受けた。本件について、The moscow timesの記事から紹介する。

(以下、本文。East Media Newsによる三記事の意訳)

ロシア最高法廷は20日火曜日、オウム真理教を「テロリスト」であるとの裁定を下した。

記事は地下鉄サリン事件にも触れ、「仏教の教えに緩やかに基づいて」いる終末論カルトであると断定し、日本での捜査や裁判の様子なども報じている。

当該団体のロシア支部はモスクワ裁判所により、1995年に解散を言い渡されているが、今まで「テロ組織」と認定されることはなく、理論的には活動が可能であった。検察によると、ロシアには未だ30000人の信者を有しているという。

ロシア検察は、当該団体の活動について、「市民に対する暴力と、彼らの健康を害する内容を含んでいる」と断定している。また、日本でも話題となったように、「指導者によって信者に対して肉体的・精神的に苦痛を与え、彼らの財産を(組織に)寄付する事を同意」させられていると報じている。


テロ認定が下る以前、本年4月には、ロシア内務省が当該団体と関連のあるモスクワとサンクトペテルブルクに所在する25の建物(家屋、礼拝所)に強制捜査を実施し、複数のメンバーを拘留している。

このような捜査は、3月26日、モンテネグロにおいて会合を開いていた58名の当該団体信者に対して、同国捜査当局が「国際犯罪組織に関連がある」との理由で同国中心部のDanilovgradや、首都のPodgoricaで強制捜査を実施し、参加メンバーを拘束した事件の直後に発生している。

ロシアでの捜査は、モンテネグロで拘束された人々の中に44名もの正規の入国手続きを経ていないロシア人信者が参加しており、そのすべてがロシアに強制送還されたという事を受けてのものであるという。


上記のような「急成長する」全体主義的カルト組織に対する活動は、プーチン大統領の主導によって2012年から促進されているものである。

プーチン大統領は同年、「ロシア政府は、国内に突如出現した全体主義的カルトの活動を管理する法制度を強化すべきだ」とし、そのような組織が実行している行為は、「人々の魂だけでなく、財産にも及ぶ狩猟である」と非難している。

プーチン大統領の指示により、疑わしき団体は政府機関の主導でデータベースが構築され、地方教育省や学校で使用することが可能となっている。


記事では、ロシアが直面した「全体主義的カルト」の事例として、タタールスタンでのイスラム系カルトの事例や、2007年のPenza州で起こった終末論カルトの事例を挙げつつ、こうしたカルト組織による悲惨な事例がロシア国内のいたるで大統領に報告されていることを紹介している。

プーチン大統領はこれらの問題に取り組むことを明言している。

(以上)

<出典:参考>
①ロシアは殺人的なセクト、オウム真理教をテロリストグループとして禁止する
原題:Russia bans murderous Japanese sect Aum Shinrikyo as terrorist group
媒体:The Moscow Times
日付:2016.9.20
種類:報道記事

②大規模な強制捜査、逮捕の標的はロシアの終末論カルト、オウム真理教信者
原題:Mass raids, arrests target followers of Aum Shinrikyo doomsday cult in Russia
媒体:The moscow times
日付:2016.4.5
種類:報道記事

③プーチンは「急伸する」カルトに対する統制を強化する
原題:Putin urges tougher control over ‘mushrooming’ cults
媒体:The moscow times
日付:2012.10.25
種類:報道記事


なぜ今頃?という感がある措置ではあるが、ロシアでは2012年以来、プーチン大統領を先頭に、国内で暴力組織が横行する現状を何とか打破しようとする試みが続いており、その延長でテロリスト認定に至ったものと思われる。

オウム教に関しては日本でも非常に大きな関心と議論を呼んだ。

宗教とは本来、人間の本質を霊的実体、即ち神仏から分かれた高貴な存在として捉えると共に、現世と来世の関係を解き明かし、人間の魂を向上させる法則、個人と社会の幸福を増進する教えを説く、「幸福論」に他ならない。政治思想的には、人権規定の根拠を提供し、弾圧や暴政から個人を護るための理論的支柱となる。

また、歴史上の偉人の人生で示されている様に、宗教を学べば学ぶほど、信仰を高めれば高めるほど、人間として成長すると共に、社会を発展させる偉業を成し遂げる素養が練れていくものである。

誰しも、人生を生きる中で様々な問題にぶち当たり、迷いの中に置かれることがある。そうした中で、人生の指針として、信仰の一条の光を求めるのが世の常である。

ロシアに限らず、世界中で問題を起こす「カルト組織」とは、そうした救いを求める人間の弱さにつけこみ、現世的な欲望や恐怖を煽ることで、個人から自由意思と判断力を剥奪し、隷従を強いるという特徴を持っている。

本来的意味での「宗教」であるならば、その信仰行為の果実として、「個人の自由と成長、幸福」の実現が希求され、人間が「手段」ではなく「目的」として位置づけられなければならない。

一方、カルトとは人間を「手段」と見なし、組織や独裁的指導者の「目的」のために隷属させるものであり、その手法はナチズムやスターリニズムと何ら変わるところがない。

そしてオウム教の本質とは「宗教の皮をかぶったテロ組織」に過ぎず、信者とは教祖の怨念(ルサンチマン)を晴らすための「手段」に過ぎなかった。このような団体を仏教の一派などと論ずると、議論が見えなくなってしまう。

いかなる形式を取ろうと、その組織がどういう「理念」を実現するために創設されたのか。また、その代表者の人物や徳如何によって、その組織の性質が決まるというべきである。

宗教の真贋を見抜くだけの「洞察力」があれば、「伝道規制法」も必要のないロシアとなるのかもしれない。








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主な出典

国内:主要メディア各紙(産経、日経、読売、朝日、毎日、など)

アメリカ:CNN、Fox News、Wall Street Journal、New York Times、Newsweek、Washington Post
イギリス:BBC、Times、Independent、
中国:解放軍報、新華社、人民日報
ロシア:PravdaReport、MoscowTimes、Russia Times
イラン:TehranTimes、IranDaily

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